介護離職

人生誰でも親との別れはある。高齢化社会、核家族化により日常生活の中にあって親との会話、交流は以前と比較するとかなり少なくなっている。既に他界している両親はともに7人兄妹であった。よって親戚も多く、お墓参りなど大型バスで行ったものだ。自分も七人兄妹の五男であり、会社経営をしていたオヤジは住み込み従業員第一主義で食事、入浴は先ず従業員からであり残ったおかずを兄妹が食べるという、昔であれば皆やっていたこと。自営業であり七人兄妹ということで兎に角仕事が忙しく親との会話は記憶にない。亡くなる数年前から土日になると電話があり飲みに行こうとのお誘いが増えた。そんな時でも仕事の話はせずに何となく居るだけで嬉しそうだ。今思うと一緒にいる共有できる時間が持てるということがお互いが幸せであったと思う。「親孝行したいときに親は無し」ということわざがある。これは亡くなってから思う事。最近、介護離職という事態が増えているようだ。当社でも最近あったことだ。個人それぞれの考えがあるが介護状態になってあたふたして急に傍にいることが親孝行という錯覚に囚われる。誰しも経験があり、それを冷静にとらえて乗り越え、送ることがお互いの幸せだ。当事者の気持ちは十分過ぎるほど理解できるが、そのために仕事を辞めるという判断は如何なものか。これからの長い人生を子供が幸せに過ごしていくことが親の気持ちだと思う。マスコミでもよく取り上げられるが介護離職した後の就職は厳しく立ち直ることは困難だ。その現実に遭遇した時では取り返しがつかない。今生きている元気な時に顔を出すことが一番の親孝行だ。

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